知財転職の視点

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知財転職の希望条件。「何を希望するか」より「なぜ希望するか」
「在宅勤務ができるところを希望しています」

転職相談では、こうした希望を伺うことがあります。

では、在宅勤務ができる求人を探せばよいのかというと、それだけでは分からないことがあります。

通勤時間を減らしたいのか。

現在も在宅勤務をしていて、今の働き方を大きく変えたくないのか。

遠方に住んでいて、出社できる日が限られているのか。

今後、転居する予定があるのか。

同じ「在宅勤務希望」でも、その理由によって必要な働き方は変わります。

これは在宅勤務に限りません。

年収、勤務地、仕事内容、企業知財か特許事務所か。

転職で希望する条件には、その人なりの理由があります。

私自身、転職相談では「何を希望しているか」だけではなく、なぜその条件を希望しているのかまで伺うようにしています。
知財転職で在宅勤務や年収、勤務地、仕事内容などの希望条件について考える女性の様子
希望条件が同じでも、その理由によって転職先を選ぶときに重視する点は変わります。

「在宅勤務可」だけでは、希望に合うか分かりません。

求人に「在宅勤務可」と書かれていても、実際の働き方まで同じとは限りません。

週に何日利用できるのか。

入社・入所直後から利用できるのか。

一定期間は出社が必要なのか。

担当する仕事や経験によって利用状況が違うのか。

制度があっても、実際にどのように使われているのかは勤務先によって異なります。

例えば、通勤時間を少し減らしたいのであれば、週2日程度の在宅勤務でも希望に合うかもしれません。

一方、遠方に住んでいて日常的な出社が難しいのであれば、同じ「在宅勤務可」でも話は変わります。

「在宅勤務希望」という条件だけで求人を見るのではなく、なぜ在宅勤務を希望するのかまで考えてみると、必要な働き方も具体的になってきます。

「年収を下げたくない」にも理由があります。

年収についても同じです。

「現在の年収は維持したい」

「最低でも○○万円は必要」

「仕事内容が変わるのであれば、多少下がっても構わない」

転職相談では、さまざまな考えを伺います。

希望年収についても、数字だけでは分からないことがあります。

現在の生活を考えると下げることが難しいのか。

これまでの経験に見合った金額として希望しているのか。

仕事内容を優先するのであれば、ある程度は調整できるのか。

また、求人に記載された年収だけではなく、月額給与、賞与、手当など、給与の構成を見る必要がある場合もあります。

特に転職では、現在の年収と求人票に記載された想定年収の数字だけを比べてしまいがちです。

しかし、その金額をなぜ希望しているのかまで分かると、求人を見るときの基準も変わってきます。

「企業知財へ行きたい」の理由も一つではありません。

特許事務所で働いている方から、

「次は企業知財を考えています」

と伺うこともあります。

この場合も、「企業知財」という希望だけでは、まだ仕事内容までは分かりません。

研究開発部門や事業部門に近いところで仕事をしたい。

発明発掘から関わりたい。

FTOやIPランドスケープなどへ仕事を広げたい。

一つの企業の技術や事業に継続して関わりたい。

同じ企業知財希望でも、理由はさまざまです。

そして企業知財の仕事も、出願・権利化、調査、FTO、契約、知財戦略など、勤務先やポジションによって担当範囲が異なります。

「企業知財であればよい」のではなく、企業知財で何をしたいのかまで考える必要があります。

これは反対に、企業知財から特許事務所への転職を考える場合も同じです。

明細書作成にもう一度しっかり取り組みたい。

自分の技術分野を活かしたい。

さまざまな企業の発明に関わりたい。

企業を外から支援する仕事をしたい。

こうした理由によって、見るべき特許事務所も変わります。

「仕事の幅を広げたい」の中身も、人によって違います。

特許事務の方から、

「今の仕事だけでなく、もう少し仕事の幅を広げたい」

と伺うこともあります。

この「幅を広げたい」も、人によって意味が違います。

国内特許事務だけでなく、外国事務にも関わりたいのか。

英語をもっと使いたいのか。

クライアントとのやり取りにも関わりたいのか。

現在とは違う知財業務にも関心があるのか。

ここまで分かると、同じ特許事務求人でも見るところが変わってきます。

求人の職種名が同じだからといって、実際に担当する仕事まで同じとは限りません。

「仕事の幅を広げたい」という希望についても、今の仕事の何を変えたいのかまで考えてみると、探す求人も変わってきます。

希望条件は、転職活動の途中で変わることもあります。

最初の面談で伺った希望が、そのまま最後まで変わらないとは限りません。

実際の求人を見たり、企業や特許事務所から詳しい話を聞いたりする中で、

「年収より仕事内容を優先したい」

「この仕事であれば、出社日数はもう少し多くてもよい」

「企業だけを考えていたが、こういう仕事内容なら特許事務所も検討したい」

と考えが変わることもあります。

最初の希望が間違っていたわけではありません。

転職を考え始めた段階では、まだ知らなかった仕事や働き方もあります。

具体的な求人を見て初めて、「これは譲れない」「ここは思っていたほど重要ではなかった」と気づくこともあります。

そのため、最初に伺った希望条件だけで、その後に見る求人まで固定する必要はないと考えています。

すべての希望条件が同じ重さとは限りません。

年収、勤務地、在宅勤務、仕事内容、役職。

希望するものを挙げていけば、条件は増えていきます。

もちろん、どれも無視してよいものではありません。

ただ、その中には、

「ここだけは変えたくない」

という条件もあれば、

「仕事内容が希望に合うのであれば考えられる」

という条件もあります。

それを分けるためにも、条件の後ろにある理由を考えることが役に立ちます。

なぜ転職しようと思ったのか。

今の仕事の何を変えたいのか。

反対に、今の仕事で気に入っていて、次の職場でも残したいものは何なのか。

ここまで考えると、自分が次の仕事に何を求めているのかが、少し具体的になってきます。

希望条件を見るときは、その理由も一緒に考える。

転職活動では、希望年収や勤務地、在宅勤務の有無など、条件を決める場面が多くあります。

求人を探すためには、もちろん必要な情報です。

ただ、知財の仕事は、同じ職種名でも勤務先によって担当する仕事や働き方が違います。

そのため、条件だけを一つずつ照らし合わせていくより、

「自分は、なぜこの条件を希望しているのか」

まで一度考えてみると、求人の見方も変わってきます。

実際の求人を見ていく中で、最初に考えていた条件が変わることもあります。

何を希望するのか。

そして、なぜそれを希望するのか。

その両方が分かってくると、自分に合う仕事を考えやすくなります。